外科的領域に踏み込むインプラント治療には抵抗がある方も少なくないかもしれません。
その一方でインプラントによって快適な日常を取り戻した方々も大勢いらっしゃいます。
ここでは実際に治療をさせていただいた患者様の生の声をご紹介します。
現在、左下の奥歯(奥から2番目)を治療中です。
熱いものがしみたので治療を開始したのですが、しみるのが収まらず、神経
を取りました。その後、根の治療を続けていますが、いつまで経っても「噛
むと痛い」症状が治まりません。膿や腫れはなく、中はきれいになっている
ので、もしかしたらヒビが入っているのかも・・・ともいわれています。
やむをえず近々抜歯となりそうな状況です。
以前、上の奥歯をインプラントにしたことがあり、その機能性や審美性にと
ても満足しているので、今度の歯も抜歯になったらインプラントにしたいと
思っています。
ただ、私はいま妊娠中で、インプラントの治療は出産後しばらくして落ち着
いてからではないとできません。それまでの間、(おそらく今から1,2年
間)入れ歯にしなければならないと思うのですが、将来的にインプラントを
考えている私にとって、ブリッジと入れ歯、どちらを選択したらよいのでし
ょう?
個人的には、患部の両隣の歯が真っ白い健康な歯なのでブリッジにして削り
たくないので、部分入れ歯を装着して数年過ごそうかと思っていますが、ど
う思いますか?
もちろん、骨がやせてしまうのは覚悟の上です。
現在通っている先生(一般歯科)ではインプラントはできないので、「将来
的にインプラントにしたい」ということは言っていません。先生はブリッジ
を薦めています。
インプラント専門の先生からアドバイスをお願いします。
左下の奥から2番目の歯にひびが入っている可能性が高いということですね。ひびが入っている場合は、当然抜歯になります。そのまま置いておくと感染をおこしてしまい、周りの骨がなくなってしまうからです。また、インプラント予定の歯を抜く場合は、ソケットプリザーベーションという処置を必ずしてもらって下さい。そのまま抜歯をしてしまうと、3ヶ月位で骨吸収を起こしてしまいます。その結果、インプラント予定の部位の骨の幅や高さを失ってしまいます。ソケットプリザーベーションをしていると、骨吸収を防ぐことができます。そして、できれば、ブリッジも義歯も入れないほうがいいと思います。そのままにしていると、奥の歯が傾いてきたり、上の歯が落ちてきたりしますが、これは矯正用のワイヤーで固定しておけば歯の移動は起こりません。これが、インプラントをするのに少し時間が空いてしまう時のベストな方法です。
ソケットプリザーベーションとは、抜いた歯根の穴を骨補填材(β−Tcpなど)で埋めて、その上をコラーゲンで被ってあげる方法です。