外科的領域に踏み込むインプラント治療には抵抗がある方も少なくないかもしれません。
その一方でインプラントによって快適な日常を取り戻した方々も大勢いらっしゃいます。
ここでは実際に治療をさせていただいた患者様の生の声をご紹介します。
はじめまして。インプラントを考えております。右上と左下2箇所それぞれ2本ずつ入れなければならない状態です。これまでいろいろと診断していただいた結果、左下は問題ないのですが、右上は上顎洞が広がって、インプラントを埋設する厚みが足りないそうです。方法として厚みのある部分を使ってボルトを斜めに埋設するか、サイナスリストを行うかになるとのことです。サイナスリストは、自分の骨を使った場合、長年には元の厚みに戻ってしまうこともある、また人工骨は安全性、耐久性ともに確証がない、という意見を聞いてもおり、そこに不安を感じております。サイナスリストは本当に恒久的なものなのでしょうか。後年、再度増骨処置が必要になったりしないのでしょうか。教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
上顎の奥歯のところの骨の高さがないとのことですね。その場合は、サイナスリフトか、傾斜埋入かどちらかの方法を使ってインプラントを埋入することになりますが、傾斜埋入については、その骨の厚さが無ければ不可能のになります。サイナスリフトの場合、自家骨を使っても、人工骨を使っても成功率はほぼ差はありません。また、恒久的かどうかについては、10年のデータで90%ぐらいという研究データがありますが、それはインプラント自体の10年間の成功率でも97〜98%です。ただそれは結果であって、かみ合わせやいろんな要素が入っていますので100%ではありませんが、サイナスリフトという骨増生の方法は、1996年の世界的なカンファレンスでも認められています。口蓋骨の厚さがあれば無理にサイナスリフトをしなくても良いかもしれません。サイナスリフトをして入れたインプラントが感染を起こして駄目になった場合、当然増骨処置は必要となります。
また、通常入したインプラントの場合でも感染などで駄目になった時は増骨処置は必要な場合が多いです。
現在、行われている骨増生の手術は100%ということではありませんが、予知性の高い術式というデータは出ています。