外科的領域に踏み込むインプラント治療には抵抗がある方も少なくないかもしれません。
その一方でインプラントによって快適な日常を取り戻した方々も大勢いらっしゃいます。
ここでは実際に治療をさせていただいた患者様の生の声をご紹介します。
初めてメールします。サイナスリフトの手術のことで悩んでおります。私はこの4月に左側上顎洞炎を患い、某大学病院の口腔外科の治療を受け、左側6部の抜歯の結果7月には完治しました。隣の歯も長年ぐらついていたのと、私が「いずれはインプラントで」とお願いしたこともあり、ついでに抜歯しました。従って左側奥歯は現在2本欠損しております。その後インプラントを前提に詳しいCT画像を撮り、今後の治療計画として「あなたは上顎洞が大きいため、歯茎の厚みが少ない(8ミリ程度)。サイナスリフトに必要な骨量が、下あごの骨だけでは足りそうもないので腸骨からの移植が必要となる。その場合全身麻酔の手術となり入院も20日くらいになる」と言われました。私は高校の教員(英語)をしており、日程的にそんなに休むことは不可能です。本当にこの方法でしか私はインプラントのための土台が作れないものでしょうか。だとすれば、インプラント自体が不可能になってしまいます。インターネットでドクターのことを知り、ご相談したいと思いました。
現在、サイナスリフトをする場合に腸骨から骨を採るようなことはほとんどありません。このようなことは10年以上前のお話のようです。現在は、自家骨(自分の骨)を移植材として使う場合、骨をとる場所は下顎の奥の下顎枝(レームス)から採ります。また、現在の世界的なコンセンサスでは、人工骨(βーTCP)の成績が非常に良く、移植材に人工的なものを使う場合がほとんどです。人工的なものを望まない患者さんには、下顎枝(レームス)から自家骨を採ります。人工骨(βーTCP)は、整形外科領域で骨の再生をする時に使われている材料ですので心配ありません。
また、サイナスリフトでは入院等の必要はありませんし、麻酔に関しても、局所麻酔のみか静脈内鎮静法を併用する事で十分です。
CTについては、フィルムとして撮影したものであって、それをお借りできれば改めて撮影する必要はありません。また、セカンドオピニオンのご相談であればCT撮影の必要はありません。当院でオペをする場合はCTが必要となりますので、CTをお借りできない場合は撮影が必要となります。
サイナスリフトなど、移植が必要なオペについては、術後に腫れがでてしまいます。この腫れは生体反応なので心配する必要はありません。1週間後には腫れも大体ひいてきます。上顎の奥歯にインプラントをする患者さんの7〜8割はサイナスリフトを必要としますので、サイナスリフトは非常にポピュラーな手術法になっています。ちなみに、アメリカやスウェーデンでもサイナスリフトをする場合、全身麻酔をして腸骨から移植骨をとるというような事はしておりません。