外科的領域に踏み込むインプラント治療には抵抗がある方も少なくないかもしれません。
その一方でインプラントによって快適な日常を取り戻した方々も大勢いらっしゃいます。
ここでは実際に治療をさせていただいた患者様の生の声をご紹介します。
こんにちは。私の父の事でご相談がございます。
私の父は56歳です。先週の土曜日に自宅近くの歯科でインプラントの治療を受けました。
まずは2本の治療を受けたのですが、その後オタフク風邪のように顔面が腫れ下唇の感覚が無くなってしまいました。
治療を受けた医師に報告すると、神経が切れてしまったのかもしれない治るか分からないと言われました。
父は立場的に人の前に出ることが多いので、このままの状態はとても困ります。
医師による治療方法は、熱を持っている何か光をあって暖めて治療するという方法です。
その治療も半年かかり、治るかは分からないということです。
どうしても完治したいのですが、他に治療方法はございますか。
お願いはできますでしょうか。
下唇のマヒが起こったと言う事で、下顎の奥歯にインプラントを埋入したのだと思われます。下顎の骨の中には、下顎管といって、大きな神経や血管が走っている管があります。そして、その神経は、下顎の前方部、皮膚や唇や歯肉の知覚をつかさどっています。下顎の奥歯にインプラントを埋入する場合、
まず、第一に考えなければいけない基本的な事です。本来は、レントゲン上で下顎管は見えますので、安全域を考えて、下顎管から3mmのセイフティゾーンを作って、埋入をします。これを考えて、インプラントの長さを決定します。一番短いインプラントを使っても、下顎管に近すぎる場合は、骨移植やG.B,Rという方法を使って、今ある骨の上に骨を作る(骨造成)処置をおこなってから出ないと、インプラントは埋入できません。
現在のレントゲンを見て、下顎管にインプラントが当たっていたり、非常に近い場合は、まず、インプラントの除去をします。(あたっていなくても圧迫したりしている場合がある)そして、投薬を早急にします。ビタミン剤のメチコバールというものと、ATP製剤のアドホスというものです。下顎管とインプラントの距離が十分にあっても、オペ時にその近くの粘膜などを少し傷つけたりした場合でも、一時的にマヒが出ます。その場合、インプラントの除去は必要ないですが、まず、投薬(上記と同じもの)をしなければなりません。投薬は、マヒがなくなるまで行いますので、長期の投与ということになります。
また、マヒに関しては、3ヶ月以内が勝負ですので、出来る限り早く処置する必要があります。